プライムワークス国際特許事務所 代表森下のブログです。
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海暮れて

私は平安時代の和歌、とりわけ新古今和歌集が好きなこともあり、永年俳句というものを軽んじていました(ロジック変かな)。和歌は57577、俳句はその前半の575です。俳句はマンボウ(魚ですよ)のように半身なわけで、ぶっきらぼうです。「俳諧連歌の発句」…

セントラルヒーティング

去年秋、自分の半生を振り返る機会をもちました。今日は昔話です。 私の父は電器メーカーMを定年まで勤めました。私が小学校4年生のとき、奈良にあった給湯暖房事業部というところで事業部長になりました。部のトップです。部下は5000人もいました。父は若…

辞世の歌作りました

一時期、平安文学、とくに新古今和歌集にはまりました(3年前のブログにちらっと書きました)。後鳥羽院と藤原定家という、タイプ的にはモーツアルト(ひらめきの天才)とベートーベン(彫刻家の深み)のようなふたりを尊敬しています。紫式部はアーサー・…

子規の画

1年ぶりのブログです。疫病の時世に私の文体は合わないと自重していました。 それでもまた春は来ます。この時期、大学の入試問題が公表されます。私はいつも問題を覗いてみます。いまでも数学は半分ぐらい解きたいと思うし、国語は若い頃よりわかるはずと思…

キモイ関係性

10年ぐらい気になっている言葉があります。10年もたってはじめて話すなんて、このペースではあと2つか3つしか話せません。 「アメリカの大統領選挙と日本の景気の関係性は大きく・・・」 なんていわれると、からだ中がかゆくなります。 「私と彼の関係性…

台風を曲げる

香港が中国へ返還されるとき、「一国二体制」という言葉が発明されました。当時それを聞いた人々(私も含む)は、 ・・・? 今回の衝突は、むしろよくここまで起きなかったな、というのが本音です。このまま起きないでほしかったと思います。対岸の火事みた…

われ思う、ゆえに何者にもあらず。

経営者が「尊敬する人」として挙げる名前の多くは、われわれもよく知っています。たとえば、盛田昭夫さん、本田宗一郎さんなど。 「二宮尊徳」(二宮金次郎)を挙げる人もいます。薪を背負って歩きながら本を読む銅像は、むかし校庭でよく見たものです。(基…

天然!?

世の中には『天然』と呼ばれる人たちがいます。私のまわりにもこんな例がありました。 ① とにかく、よく標識にぶつかる。(額を縫ったこともある。) ② バーテンに「ウイスキーの飲み方は?」と聞かれ、「座って」と答えていた。 ③ 中国の正式名称は「中華人…

凸凹あらば、はめてみよ

交換が必要な部品と言うものがあります。例えば、エアコンのフィルター、携帯電話の画面(割れたとき)、プリンターのインクなどです。これらは「交換部品」とも呼ばれます(まんまか)。 交換部品はふつうもとの装置(エアコンとか)を販売したメーカー(A…

無色透明・無味無臭

去年、「考える水」と言う記事を書きました。所員から「代表がこんなアホなものを書いていて大丈夫?」というありがたいコメントをいただきましたので、水についてまた書きます。 水の特徴は「無色透明」、そして「無味無臭」です。「味はある、エビアンと富…

『このたび、めでたく孤立しました。』

特許事務所をはじめて19年になりました。たまには振り返ります。 2000年に「森下国際特許事務所」としてスタートしました。それまで産学共同のシンクタンクにいました。しかしそこが諸般の事情で立ち行かず、当時の社長から「きみは資格があるから、どこかで…

番号をちゃんと書いてね

──特許を取ったから、もう安心。 まあ、ふつうはそう思いますよね。でも、広い特許をがっちり取った後でも、うまく自分の製品を守れないことも。今日はそういう「落とし穴」の話。 問題は米国です。米国の特許法第287条は「特許表示」を規定します。 「特許…

胴長ライオン

先日、友人が始めるバーの設計をしました。設計といっても、ラフスケッチとだいたいの寸法を決めた程度です。完成してみると、壁が寂しく、絵を掛けることになりました。私は勢いで、 「おれが描く」 と言い放ち(バーにいると酔うんです)、スケッチをしま…

壮大なる現実逃避

私は20年ほど前、寝落ちしそうな状態で本を読んでいたとき、 ─クジラの祖先はパキケトゥスという陸生動物でした。 という記述とその動物のイラストに出会い、一気に目がさめました。それはほとんどオオカミでした。 衝撃ですよ。だって、もともと動物は進…

『不惑のスピリット』

私は8年前まで酒を飲みませんでした。釣りをしない人が釣りをしないのと同じで、深い理由はありません。(ヘンかな。) ところが8年前、尊敬する先輩から、あるバーのオーナーを紹介され、彼の特許出願をしました。したがって(?)、私の飲酒歴は8年です…

『おれは犬だな』

私は言語とか言葉が好きです。今日は日本語の主語について雑感を。以下、大昔本から得た知識や自分の感覚が混じっていて、全然厳密ではないですよ。 日本語は主語がなくてもよいぐらい曖昧な言語だ、英語は逆にすごく論理的だ(ヘタすると高級だ)と思ってい…

ベネチアのエビ

「世界中で、どの街が好きか」 最近聞かれました。いままで33カ国を旅しました。といっても、アクセスしやすいところばかりです。世界の1%も見ていません。 その1%の中ではありますが・・・、 ベネチアとプラハは別格です。今日は前者の話。 もう5回行ってい…

考える水

大昔(30年前?)、ニュースで静岡(だったかな)のイチゴ農家が、「モーツァルトを聴かせるとイチゴが甘くなる」といって、ビニールハウスの中に音楽を流していました。 当時は、「バカな」と思いましたが、最近、かなり考え方が変わりました。ここから、ロ…

嵐も白き

桜はもう終わりですね。 み吉野の高嶺の桜散りにけり嵐も白き春のあけぼの ──吉野山の高嶺の桜はすっかり散ったのだろう。春の夜明け前、山風が真っ白なのだから。 新古今集にある後鳥羽院の絶唱です。目の前の白い嵐(=山風)から、吉野山の落花を想像して…

満開にふたつの別れ

今日からブログを始めます。おつきあいください。 東京は桜が満開です。いつもこの時期、記憶は大昔に飛びます。 私もかつて18歳でした。 早稲田の政経に入りました。一般教養に「相対性理論」があり、かっこいいので、とりました。超常現象の否定で有名な大…