プライムワークス国際特許事務所 代表森下のブログです。
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凸凹あらば、はめてみよ

 交換が必要な部品と言うものがあります。例えば、エアコンのフィルター、携帯電話の画面(割れたとき)、プリンターのインクなどです。これらは「交換部品」とも呼ばれます(まんまか)。

 交換部品はふつうもとの装置(エアコンとか)を販売したメーカー(A社とします)が提供します。その場合、交換部品は「正規品」です。しかし、A社とは違うメーカーが提供することもあります。代替品です(注1)

 代替品が正規品同等の品質ならよいですが、粗悪品のこともあります。昨今、日本製品に対し、主に海外の粗悪な代替品が交換部品として流通することがあり、多くの日本メーカーが困っています。私のお客様もそういうお話をされます。

  で、ここからが私なりのひとつの解決策の提案です。答えから言うと、

 「交換部品の取り付け部分の形を社の登録商標の形にする」

 わかりにくいですね。図1は本体(A社の製品)の先端で、ここに交換部品を取り付けるとします。この先端に丸いでっぱり(矢印)があります。交換部品は逆に、丸い凹みがあります(図2)。ブロックのように、丸い凹凸をかっちりはめて接続します。

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 図3はでっぱりが「T」字の場合です。図4はそれにはまる「T」字の凹みです。で、この「T」がA社の登録商標(注2)とします。絵が描きにくいので「T」にしましたが、たとえば「SONY」という文字列だと思ってください。

 代替品メーカーは部品の先端に「T」(つまり「SONY」)という文字を彫るしかなく(図4)、これはA社の許諾がなければ、A社の商標権の侵害となります。これなら商標権侵害で代替品の流通を止めることができるのです。

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  どうですか (*`▽´*)

 

 もちろん、彫るのは短い名前じゃないと厳しいです。世界一長い名前の会社は日本にあり、

 株式会社あなたの幸せが私の幸せ世の為人の為人類幸福繋がり創造即ち我らの使命なり今まさに変革の時ここに熱き魂と愛と情鉄の勇気と利他の精神を持つ者が結集せり日々感謝喜び笑顔繋がりを確かな一歩とし地球の永続を約束する公益の志溢れる我らの足跡に歴史の花が咲くいざゆかん浪漫輝く航海へ

 というそうですが、これを彫るのは辛いです。

 まあ、社名でなく、図形の商標にすべきですね。三菱のマークなんて、凹凸にしたらかっちりはまりますよ(図5)。誰かこの発想で部品作ってくれないかなぁ・・・。

 

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注1  「代替」は「だいたい」ですが、「だいがえ」という人もいます。きしょく悪くて嫌ですが、どうも1970年代から一部の国語辞典でも許されているようです。きしょく悪いですねぇ。

注2 正確には、交換部品を指定商品に含む、図4の形の立体商標というべきかもしれません。