『不惑のスピリット』
私は8年前まで酒を飲みませんでした。釣りをしない人が釣りをしないのと同じで、深い理由はありません。(ヘンかな。)
ところが8年前、尊敬する先輩から、あるバーのオーナーを紹介され、彼の特許出願をしました。したがって(?)、私の飲酒歴は8年です。酒年齢では二十代と言ってもよく、まわりが「飲めなくなった」という中、破竹の勢いです。(ヘンかな。)
この年になって酒の基礎を知り、驚きました。ざっくり言うと、
・ビールを蒸留するとウイスキーになり、
・ワインを蒸留するとブランデーになり、
・日本酒を蒸留すると焼酎になる、
という事実です。「カルヴァドスはブランデーだが、ブドウじゃない、リンゴだ」とか、例外はありますよ。でも、大枠を見てください。3つの組それぞれの蒸留前後のふたつは親戚であり、言われれば、どこか面影がありますよね。(あれ?)
さらに私が感銘(!?)を受けたのは、蒸留前はかなり差がある酒が、いちど蒸留という、酒にとっては試練に違いない過程を経ると、まあまあ似てくる、ということです。少なくとも、ウイスキーとブランデーには、ビールと日本酒ほどの大差はありません。蒸留で糖質が消える点も同じです。
なんか、おっさんの人生みたいで。。。
40にして惑わず。70にして矩を踰えず(のりをこえず)。
甘さは抜けおち、心は平静。いい感じで年をとっているおっさんは、達観の表情が似ています。
あとは、試練を経て、スピリットだけになれるのかどうか・・・。